2024/12/23
- 校長先生からのメッセージ
2024年度 クリスマス聖式
皆さんは、馬小屋を見たとき、どういう気持ちがしますか。皆さんはキリストの誕生物語を知っているし、きれいな人形もあるので、多くの人はあたたかい気持ちがするでしょう。私もそうです。
しかし、イエスの実際の誕生はそんなに甘い出来事ではありませんでした。ちょっと考えましょう。マリアは、旅の途中で、実家から遠かったので、出産は大変だったと思います。また、宿屋がいっぱいで、泊まるところがなかったので、何とか屋根のある馬小屋を見つけて、そこで子どもを産みました。しかも、馬小屋には馬だけでなく他の動物もいたから、ずいぶん臭かったことでしょう。またとても寒かったでしょう。
マタイ福音書をもう少し読めば、イエスの誕生物語にはもっと恐ろしい出来事も出てきます。それは、多くの子どもの虐殺です。こちらの馬小屋に3人の占星術の学者がいますね。博士とか王様という訳もあります。この3人は、星や惑星の空の位置を見て、イエスの生まれる時期と場所を考えました。そして、エルサレムに行って、イスラエルの王、ヘロデとこう話しました。「ユダヤ人の王はどこにいますか。東方で彼の星を見たので、拝みに来ました」と。当時の王ヘロデは、新しく生まれた王に倒されることを恐れたので、ベツレヘムの近くにいる2歳以下の男の子を皆殺しにしました。幸いに、虐殺の前に、ヨセフはマリアとイエスをつれてエジプトへ逃げました。だから、イエスは一人の難民でした。迫害や虐殺をのがれるために、イスラエルから逃げて、避難しました。
皆さん、最近、全世界の難民が増えています。ウクライナやパレスチナやシリアなどから、戦争や迫害を逃れるために、イエスのように、自分の国から他の国に避難している人々がたくさんいます。また、もうすぐ1年となりますが、能登半島の地震で避難している人々もまだたくさんいます。復興がなかなか進んでいません。
今年のクリスマスには、戦争や迫害、自然災害で苦しんでいる多くの人々のことを思い、難民の苦しみを経験したイエスが彼らを守り、力づけるようにみんなで祈りましょう。
では、よいクリスマスとよいお年をお迎えください。