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2024/11/20

  • 校長先生からのメッセージ

時報第163号より「創立75周年を迎えて その2」

三の丸時代新校舎s.jpg

 創立当初の校舎が没収される危機を乗り越えた名古屋聖霊学園は、10年間で生徒数も50名から約600名に増えて、発展しました。明治時代に兵舎として建てられた古い木造校舎は、第2代校長シスター・パウラのもとで1960年代に鉄筋コンクリートの6階建て新校舎に建て替えられました。屋上には天文台も設置されました。

 しかし、戦後の名古屋の経済成長に伴い、学校前の道路が拡幅され、交通騒音が授業に大きな支障をきたすようになりました。また、短期大学の設立というシスターや保護者の希望を実現するため、狭い三の丸キャンパスから広い瀬戸キャンパスへ移転し、学園を発展させることにしました。この移転は学園全体には恩恵をもたらしましたが、中学校にとっては入学者数が激減する大打撃となり、再び学園は存続の危機を迎えました。名古屋から遠い新キャンパスは通学が不便で、交通手段も藤が丘発の名鉄バスと尾張瀬戸発の国鉄バスに限られていたため、名古屋市内の生徒にとっては通学が困難で、1970年代には中学校が各学年1、2クラスしかありませんでした。 

 聖霊中学校が消滅する危機すらあったこの時代に、教職員、保護者は、中学校を守るために尽力しました。第4代校長の大野寛二神父が就任した1980年代、名古屋聖霊学園は大きく発展する時代を迎えました。カトリックの雰囲気を強化するために聖母像やステンドグラスを設置し、生徒玄関前に校歌碑を作りました。クリスマスコンサート『EVEMy青春!』も開催されました。聖霊らしい教育を作るため、中学3年生に卒業論文を課し、オーストラリアの姉妹校との相互訪問も始まりました。アクセス改善のために、父母の会カリタスの尽力でスクールバスの運行が開始されました。その結果、中学校の入学者数は徐々に増加し、1990年代初頭には、現在の中学5クラス、高校6クラス体制が確立するに至りました。そして、移転後20年をかけて元の生徒数に回復しました。

 75周年を迎える今、学校を守り、発展を支えてくださった多くの方々に感謝し、私たちも聖霊中学高等学校のさらなる発展に貢献する決意を新たに、一緒にお祝いしましょう。

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