2022/11/01
- 校長先生からのメッセージ
2022年度 創立記念式典「人生の指針となる4つの標語」
秋の深まりを一段と感じる今日、聖霊中学・高等学校は記念すべき創立73周年を迎えることになりました。教職員と在校生と共にお祝いできますことを、心から喜び感謝申し上げます。この73年間に実に数え切れない方々のお世話になってきました。創立者のシスターピアをはじめ、多くのシスターと教職員、保護者、そして卒業生は聖霊中学・高等学校の基盤となり、素晴らしい伝統を作り上げてくださいました。この方々のお陰で私たちは今ここで勉強できることを感謝しましょう。
聖霊には恩人が多いですが、今日は、一人の校長を紹介したいと思います。その校長はシスター・トマです。この73年間に聖霊の校長が12人います。一番長く務めたのは第2代校長のシスター・パウラです。なんと19年間勤めました。一番短いのはシスター・トマでした。一年間だけ校長でした。約60年もの永きにわたり、秋田と名古屋の聖霊学園で教鞭を執り、校長、学長、理事長などの重責を 歴任されたシスター・トマは、1995年に聖霊学園と南山学園との合併の後に本校の第8代校長となられました。2つの学園がスムーズに合併できるように、経験豊かなシスター・トマは高齢の82歳にも関わらず一年間校長として勤めました。そのとき、次の英語の日常標語を生活の道しるべとして聖霊の中学生・高校生に伝えられました。
まず第一に、"Be the first to greet" ――最初に挨拶する人になることです。他人から挨拶される前に、自分から進んで先に人に挨拶すべきです。積極的で温かい挨拶によって人との絆が深まり、朝から日常生活が明るくなり、気持ちよい日々を過ごすことができます。
次に、"Keep your shoes straight"――靴をまっすぐに揃えることです。もちろん、玄関で靴を揃えるだけではなく、一日中、自分の周りをいつでもきれいにして、整理整頓に心掛けるべきです。
第三に、"Walk hand in hand"――手を取り合って歩むことです。手をつなげるほどに人々と仲良くし、温かく振る舞って思いやりをもって接触すべきです。
最後に、"Say your name clearly"――自分の名前をはっきりと言いなさいということです。自分の言うことを他人に理解してもらうために、名前だけでなく自分の意見などを明白かつ明瞭に言うべきです。言葉遣いに注意して、人の気持ちを考えて、積極的に発言することが大事です。
一見、この英語の標語はシンプルなものに聞こえるかも知れません。しかし、これらを人生のいろいろな場面で当てはめれば、きっと幸せな生活が送れるでしょう。シスター・トマは、中学・高校時代だけでなく、一生大切にすべき、人としてのあるべき姿を、わかりやすい言葉で生徒たちに教えてくださいました。
シスター・トマは退職後も八事聖霊修道院において献身的な愛をもって修道女としての生活を過ごされ、2011年に、97歳で帰天されました。シスター・トマが残した、シンプルだけれども大切な4つの標語、すなわち、温かい挨拶、整理整頓、思いやり、積極性と明瞭性は、私たちの道しるべとなってくれることでしょう。多くの方々の言葉によって、聖霊という学校が作られてきたことを心にとめましょう。そして、皆さんが聖霊の伝統を受け継ぎながら、光の子として生活してくれることを願っています。