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2017/06/16

  • 校長先生からのメッセージ

聖霊時報142号 「カトリックとは何か」

 聖霊中学・高等学校はカトリック・ミッション・スクールと呼ばれています。カトリックとは、まずヨーロッパで16世紀に宗教改革によってできたプロテスタント派に対してキリスト教の中で最大の宗派を表す言葉です。カトリックの語源「καθολικός katholikos(ギリシャ語)は、「普遍的」という意味です。

 

 「全世界に行ってすべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい」(マルコ福音書1615節)というキリストの指示に従った弟子たちがエルサレムにとどまらずに、当時のローマ帝国だけでなくインドなどにもキリストの教えを宣べ伝えました。そして、後の宣教師も徐々にその教えを全世界に広めました。ちなみに、聖フランシスコ・ザビエルは1549年に日本でキリスト教の宣教をはじめました。また、キリストをまだ知らない人々にキリストの教えを伝えることを目的としている神言会と聖霊会の会員は、100年余り前から学校教育を通して日本で宣教活動を続けています。

 

 この地理的な意味のほかに、カトリック教会は、国籍や人種、身分や階級などを問わずすべての人々を受け入れる精神に基づいているので、排他的でなく、「インクルーシブ」(包含)の意味で普遍的な集まりだとも言われています。聖書のはじめに「神にかたどって人間を創造された・・・神は彼らを祝福された」(創世記12728節)と書いてあるように、すべての人間は神のように大切でかけがえのない存在なので、あらゆる差別や憎しみや偏見などはゆるされていません。南山学園がかかげている「人間の尊厳のために」という教育理念もこの聖書の箇所に由来しています。神から創造され祝福されている私たち人間は皆1人ひとりを大切にして尊敬すべきです。

 

 「光の子」として生活している聖霊中学・高等学校の生徒・教職員が、この普遍的なカトリックの精神と開かれたこころをもって、すべての人々を受け入れ、大切にできるように私は願っています。

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