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2013/11/01

  • 校長先生からのメッセージ

2013年度 創立記念式典「制服のリボンを結ぶときに・・・」

 第64回の創立記念日を迎えるこのさわやかな秋晴れの日に、創立初期以来、聖霊中・高等学校の教育と伝統を築き上げ、そして今まで支えていただいた大勢の恩師に心から感謝するとともに、皆様にお喜び申し上げます。


 さて、1955年に卒業した第1回生の卒業アルバムを見ますと、校舎や教室の風景、シスターの修道服や 生徒の髪型などが現代のそれらと違うということに気付くと同時に、この60年間に生徒の制服がほとんど変わっていないことに驚かされます。


 聖霊学園30年史によると、第1回の入学のときに、制服はなく、生徒はまちまちのセーラー服で通学していたそうです。戦後の貧しい時代に、布地を手にいれるのも困難だったし、生徒は家庭科の授業で自分の制服を作ったということも書いてあります。現在の制服を着用したのは1949年10月からでした。デザインは3種類の試案を生徒に示し、生徒の意思を入れて決定したものだったそうです。


 ジャンパー・スカートの紺色は、シスターの修道服と同じで、謙遜と慎みを表しています。ブラウスの白は、純粋で清いこころを表しています。そして、ベレーとリボンの赤と茶色は、燃えている愛を意味しています。


 昔、女子生徒がセーラー服を着た時代にジャンパー・スカートとリボンはとても珍しくて評判が良かったそうです。最近、ブレザーに大きなリボンの制服を身に着けている女子生徒をよく見かけます。みなさんは聖霊の細くて薄い色のリボンが貧弱と思う人もいるかも知れませんが、私はそう思いません。逆に深い意味があると思います。


 聖霊の校長に赴任してから、皆さんの細いリボンの由来を考えました。30年史などに書いてありませんが、自分なりにこう考えています。戦後の暗い、苦しい時代に聖霊会のシスターたちは、生徒たちの生活と学校内を少しでも明るくしようと、赤いリボンを付けたのではないでしょうか。そして、布地だけでなくお米さえも簡単に手に入らなかった時代に、この細いリボンはシスターたちが準備できた最高のアクセサリーであり、最高の思いやりのしるしだったと言えるでしょう。


 皆さん、毎日リボンを結ぶときに、戦後の暗い苦しい時代に、生徒を心からいたわり見守ったシスターたちを思い出してください。シスターたちが戦後の暗さをこの赤いリボンで少しでも明るくしようとしたように、皆さんも自分の小さな力でも、苦しんでいる人々をいたわって助けてみてください。光の子としてこの世に明るさをもたらしてください。


 60年も前に、シスターたちがリボンによって生徒の生活を明るくしようとしたと同じように、これから奉献する花を病院、保育所、駅などに持って行き、光の輪を広げましょう。

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