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2023/11/01

  • 校長先生からのメッセージ

2023年度 創立記念式典「家庭的な学校」

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 乙女坂の木々が紅葉しはじめているさわやかな秋晴れの今日、聖霊中学・高等学校は第74回の創立記念日を迎えることになりました。南山学園理事長の市瀬神父様と来賓の皆様と共にお祝いできますことを、心から喜び感謝申し上げます。

 私事ですが、13年前に私は校長になったときに、聖霊がどういう学校かは全く分からなかったので、「聖霊はどういう学校ですか」と生徒たちによく質問しました。ほとんどの生徒は次のような答えをしました。「聖霊はとてもフレンドリー、家庭的な学校だ」とか、「先生と生徒の距離が近い」とか、「みんなが非常に優しい人々だ」とか、「多くの行事の中でクラスが団結して一体となって一生懸命にやる。そして、安心してありのままの自分が出せる学校だ」などです。

 実は、私はこの挨拶の準備のために『名古屋聖霊学園三十年史』を読みました。そして、その中に興味深い文章があることに気づきました。不思議なことに、70年前の聖霊についてこの文章を書いた方は、私に答えてくれた生徒たちとほぼ同じことを言っています。ここで、少し紹介したいと思います。

 

 「創立期の生徒達の思い出にあるものは、生徒と学校との一体感である。学校は生徒達にとってすべてであった。(中略)生徒達の心の中には、自分達の学校を自分達の手で創っているという誇りがあった。そして、生徒の心にそのような一体感を育て上げ得たのは創立期のシスター達の教育にかける情熱と信念が、小さい中学生の心にもまっすぐに伝わったからにほかならない。よく聖霊学園の教育は『家庭的』と呼ばれた。シスター達は一人一人の性格を熟知し、一人一人に目をかけた。服装のちょっとした乱れも正し、言葉は標準語を使うようにきびしく指導した。(中略)このきびしさの反面、生徒達は放課になると職員室へ行って、編み物をしながらシスターと話すのを喜びとした。それこそひとつの家庭のような姿がそこにあった。」

(『名古屋聖霊学園三十年史』48頁13行~49頁5行)

 

 この文章に出てくる「一体感」「家庭的」「情熱」「一人一人に目をかけ」などの言葉は私に話してくれた生徒たちの言葉とかなり似ています。確かに、聖霊中・高の関係者が74年も前から築いてくださった学校の雰囲気と伝統は、今の聖霊にも生きているのです。

 家庭的で一体感にあふれるこの学校、一人ひとりに目を温かくかけてくれるこの学校、フレンドリーなこの学校の伝統を築き上げてくださった方々、また優しくて思いやりのある、礼儀正しい「光の子」を育ててきた聖霊会のシスター、旧教職員、諸先輩の方々に感謝しながら、さらによい伝統のある聖霊中学・高等学校をつくっていくことを切に願って、私の祝辞といたします。

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