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2021/03/04

  • 校長先生からのメッセージ

2020年度 高校卒業式

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瀬戸聖霊キャンパスにある梅が咲き始め、この丘を囲む自然のうちに、近づく春を感じる本日、南山学園理事長市瀬神父様をお迎えして、ここに第67回卒業式を執り行うことができますことを心から喜び、深く感謝申し上げます。ご列席の保護者の皆様、お嬢様の高等学校ご卒業、おめでとうございます。こころからお祝い申し上げます。皆様には長い間、この聖霊中学・高等学校を本当に親身になってご支援、ご協力いただきました。改めて厚くお礼を申し上げます。

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。さて、卒業前の静修でも言いましたが、皆さん、ここまでよく来ましたね。誰も経験したことのない高校生活を送りました。とくにこの1年に、2か月の休校の後、我慢と恐怖が続くなか、みなさんが楽しみにしていた陸上競技会などの行事が縮小されたり、中止されたりしたことを思い出すと、やっと、この卒業式を行うことができたという気がします。よくここまで来ました。実は、高3の静修と今日の式は、この新しい体育館で学年全員がそろって行う初めての行事です。残念ながら、例年と違って、保護者の方の参列はお一人のみとさせていただき、来賓の方も後輩たちもいませんが、今日、このように、無事、卒業式を執り行い、みなさんの巣立ちを祝うことができ、本当にうれしく思っています。

それにしても、皆さんは舞台から遠いですね。本当に、ソーシャル・ディスタンスを守っていますね。ソーシャル・ディスタンスという言葉はよくないとある学者が言ったそうです。ソーシャル・ディスタンスではなく、フィジカル・ディスタンスの方が正しいです。椅子が1メートル離れていることは物理的な距離だからです。ソーシャル・ディスタンスには、社会生活における距離とか人間関係における距離という意味があります。ようするに、人間関係が薄れていって、人と人とのこころが通じなくなって、冷たくなります。

しかし、このコロナ禍のときにこそ、人間関係を強く深くする必要があります。物理的な距離があっても、人との絆を深めましょう。こころとこころとのつながりを もっと、もっと大事にしましょう。感染している方々のほかに、目に触れないところで外出自粛や隔離で苦しんでいる方々、病人の世話で力を尽くしている医療関係者の方々、そして仕事ができなくなった方々はみんな犠牲者ですし、支援を必要としています。彼らとソーシャル・ディスタンスをとるのではなくて、彼らとのつながりを大事にして、積極的にあたたかく助けましょう。今こそ、コロナ禍によって苦労している方が、「光の子」の皆さんを必要としています。皆さんの光と思いやりを必要としています。彼らのニーズにこたえてください。

最後に、卒業生の皆さんは誰も経験したことがない高校生活を見事に送りました。コロナ禍の中、よく耐えただけでなく、厳しい状況にあっても、人間関係を大事にしながら、協力し合って、自分の進路を決めるために全力でよく頑張りました。とくに、今年度に新校舎へ移転するため、いろいろな不安と心配がありましたが、皆さんは最上級生として落ち着いた明るい模範を後輩たちに示しました。お陰様で、新校舎でいいスタートを切りました。感謝しています。あなたたちは本当に光の子です。聖霊高校の誇りです。もちろん、私の誇りです。

これからも皆さんがお互いに支えあいながら、抱いているあたたかい光で周りの人々を照らす「光の子」として一般社会で大きく貢献できるようにと祈って、私の式辞といたします。

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