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2016/07/21

  • 校長先生からのメッセージ

2016年度 1学期終業式

ルカ福音書6章35-36節  敵を愛しなさい

あなた方の父が憐れみ深いように、あなた方も憐れみ深いものとなりなさい。

 

 2016年7月10日。日本の社会で歴史的な出来事がありました。18・19歳の人たちに初めて選挙権が与えられ、投票に行くことができました。みなさんは、政治に関心を持っていますか。関心が無いときちんとした投票をすることができません。

 
 私が18歳の時、アメリカでは21歳以上の人のみに選挙権がありました。18歳になれば、学校を辞めて就職をすることができましたし、家から独立して一人で生活をしたり、結婚をして家庭を持つこともできました。しかし、21歳にならなければ、投票に行くことはできなかったのです。~これはおかしい。大人として仕事もしている。結婚をして家庭も作ることもできる。しかし選挙権はない。~「大人と同じなので、選挙権も与えられるべきだ。」こんな運動が始まりました。


 そして、ちょうどその頃、もう一つ大きな出来事がありました。ベトナム戦争です。アメリカでは18歳の誕生日を迎えると、徴兵制のために、すべての男子は市役所に行き登録をする義務がありました。実際に同級生の何人かは戦争に行きました。幅広い年齢の人がいたにも関わらず軍人となった人は18~20歳の若者でした。特に陸軍の中心は若者でした。そして、多くの若者が亡くなりました。しかし、この若者たちに選挙権はありませんでした。私は幸い神学生だったので徴兵制は免除されました。


 反戦運動が始まった時、若者たちは、「その戦争を始めた政治家、そして若者を戦争に派遣する大統領や議員達を選ぶ権利が欲しい。自分の国のために死に行くのだから、少なくともその戦争を決める政治家を選ぶ権利がある。」と叫びました。そのような運動が各地で行われ、そして、選挙権は18歳までひき下げられました。

 私も20歳の時に初めて大統領選に行き、投票をしました。今は日本に住んでいますが、今でも不在者投票でアメリカの選挙に投票をしています。遠い他の国に住んでいても政治に参加することを大切にしているのです。1票だけでは社会はすぐには変わらないかもしれませんが、選挙権を大切にしています。

 

 この夏休みには、ぜひ選挙について調べてみてください。日本の政治について調べてみてください。日本や世界中で、様々なひどいことが起こっています。先日もドイツでテロがありました。アメリカでも警察が暗殺されました。日本は平和なので、政治に関心がなくてもいいと思うかもしれませんが、待機児童問題など様々な問題があります。10年20年後に皆さんの子どもが18歳になった時、日本に徴兵制があれば、戦争に行かなくてはいけません。将来の家族のことを考え、この日本が平和で安全な国になるように、政治に興味を持ってください。時事問題に関心を持ち、新聞を読んだり、インターネットで日本の政党のマニフェストなどをみて、どのような違いがあるか考えてみてください。そしてきちんとした知識に基づいて判断し、しっかりと考えることができる女性(ひと)になってください。

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