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2015/12/22

  • 校長先生からのメッセージ

クリスマスメッセージ @クリスマス聖式2015

 最近、イヴマイ青春で「ひいらぎ飾ろう」というクリスマスキャロルを歌っています。みなさんは「柊(ひいらぎ)」を見たことがありますか。あまりないでしょうが、聖霊のキャンパスには柊の木があります。来客駐車場の近くにあります。葉っぱが濃い緑色で、光沢(つや)もあるので、華やかな飾りになります。しかし、葉っぱは堅くてとがっているので、触ると、手がヒリヒリ痛みます。(ヒリヒリ痛むのは木のひいらぎという名前の由来だそうです。ヒリヒリの木がひいらぎになります。)

 しかし、どうして「柊」がクリスマスの飾りになったでしょうか。「柊」はクリスマス・ツリーと同じように、クリスマスの本来の意味、すなわちキリストの誕生と関係がありません。実は、別の宗教からキリスト教に取り入れられてきました。キリスト教が北ヨーロッパに広まる前に、現在のドイツあたりに住んでいた古代ケルト族の人々は木を崇拝していました。

 とくに夜が一番長い冬至の祭りを祝うときに「柊」とか「モミの木」などを飾ったそうです。非常に寒い雪国で真冬でも葉っぱを枯らさずにいる常緑樹の「柊」などは、強い生命の象徴とされていました。人々が雪国の寒さと戦い、長い夜の暗闇を追い払うために、一年中緑のままで強い生命力の象徴である常緑樹を飾り、自らを元気づけるという意味もあったでしょう。

 ところで、日本でも、節分のときに魔除けとして柊とイワシの頭を飾るところがあります。これも、柊の葉の形と常緑樹ということが使われる理由だと言われています。


 8世紀ごろ古代ドイツ民族はキリスト教に改宗しましたが、樹木信仰がまだ根強かったので、 モミの木などの常緑樹が、冬至に近いクリスマスの飾りになったというのが有力な説です。キリスト教が次第に広がっていくにつれ、キリスト教徒は古代ドイツの地元の習慣をキリスト教的な意味合いをこめて取り入れました。柊やモミの木などの常緑樹、つまり強い生命をもって寒い冬でも葉っぱを茂らせる緑の姿は、キリストが与える永遠の命を意味しています。

 そして、クリスマス・ツリーのことです。16世紀のころ、宗教家のマルチン・ルターが クリスマス礼拝の帰り道、森の中で常緑樹の枝の合間にまばゆく輝く無数の星を見ました。その美しさにうたれたルターは、それを子供たちのために再現しようと、家の中に木を持ち込み、火を灯したろうそくを枝にくくりつけたそうです。星空のように輝いているクリスマス・ツリーは、星空を含む宇宙万物を私たちのためにお造りになった神の愛を意味しています。

 どんなに暗いときにも、どんなに苦しいときにも、救い主のキリストは 私たちを温める愛と私たちを照らす光をもたらします。「柊飾ろう」と歌うときにも、青々としているクリスマス・ツリーを眺めるときにも、これらが象徴としている、キリストからいただく永遠の命とあたたかい愛を思い出してください。

 このようなクリスマス・シンボルの意味を知って柊やモミの木を見れば、今年のクリスマスはきっと今までとは違った、そしてもっと素晴らしい輝きを持つことでしょう。

 皆さん、良いクリスマスと良いお年をお迎えください。冬休みを無事に過ごして、三学期の始業式で皆さんの元気な姿を楽しみにしています。

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