2025/04/08
- 校長先生からのメッセージ
2025年度 入学式「聖く、正しく、愛に満ちた心を」
「2025年度 聖霊中学校202名と聖霊高等学校238名の入学を許可します。」
聖霊の山々で自然に生えた紫の山つつじと共に桜の花が美しく咲いている本日、カトリック教会名古屋教区の松浦司教様をはじめ、大勢の来賓にご列席いただき、希望に満ちた新入生の皆さんを聖霊中学校・高等学校にお迎えすることができ、大変うれしく思います。皆様といっしょに入学式を執り行うことは、本校教職員にとりましても大きな慶びでございます。
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。保護者の皆様、今日はお嬢様のご入学、おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
さて、76年前に、聖霊中学・高等学校の初代校長シスターマルチンヒルデが最初の入学式で50名の一期生に次のように話しました。「皆様は、新しく創立された名古屋聖霊中学校の最初の生徒となりました。大きな希望でいっぱいでございましょう。すべてにおいて、聖(きよ)く、正しく、愛に満ちた心を持って歩むことはもっとも大切なことです。」と。そして、初代校長はこの最後の文を強調して2回繰り返しました。
76年前に入学した先輩たちと同じように、大きな希望をもって今日の日を迎えた皆さんにも初代校長の言葉を伝えたいと思います。「もっとも大切なのは、すべてにおいて、聖く、正しく、愛に満ちた心を持って歩むことです。」
まず、「聖(きよ)く歩む」とはなんでしょう。清いというのは、素直で純粋だと言うことですが、美しく、透き通ったという意味もあるので、偽りもなく裏と表のない心で生活するという意味になります。また、この「聖く」はさんずいへんの「清い」ではなく、聖霊の「聖」という字で書かれているので、「神様の近くで、神様に従って」歩むという意味にもなります。ほかに、「聖」には、尊いという意味もあるので、自分も相手も尊いものだと信じて共に生きることも「聖く歩む」ことだと思います。
次は、「正しく歩む」です。まず、間違えをせずに、悔いのない人生を過ごしてほしいと思います。しかし、中学生と高校生の皆さんは人生の経験がまだ浅いので、何が正しいか、何が間違っているかを判断するときに、迷うことが多いでしょう。「正しく歩む」ためには、まず、正しいことと間違い、善と悪を区別し、見分ける必要があります。けれども、自分ひとりで悩むのではなく、親または教員、あるいは、先輩などに助言(アドバイス)を求めて、自分の知識や理性も生かして、正しい道、良い道を探してみてください。また、いろいろな人の人生について書かれた本やもちろん聖書をよく読めば、正しいことのヒントが与えられ、充実した正しい生き方が見つかるでしょう。
正しいという言葉には、また、偏りもなく、正義、公平、平等という意味もあるので、相手を差別や軽蔑せずに正しく公平に歩みましょう。差別だけでなく、もちろん、いじめも悪口も正しくありません。
最後は、「愛に満ちた心をもって歩む」です。愛の心はもちろん相手を思いやって大切にする心です。優しさ、寛大さ、寛容も愛の心にあります。愛には、いつくしみやあわれみ深いという意味もあるので、相手をゆるすことも大事です。そして、この「愛」は恋愛のような感情ではありません。たとえ、相手のことが好きでなくても、気にいらなくても、相手を大切にする。これが、シスターが話された「愛の心」なのです。
これらの言葉の中に聖霊中学・高等学校の建学の精神が込められています。多くの先輩のように、新しい希望で入学した皆さん、三年間、六年間、「聖く、正しく、愛に満ちた心をもって」歩みましょう。
では、最後に、先ほど先輩たちが歌った校歌の歌詞を借りながら、新入生の皆さんに私の祈りを伝えたいと思います。
聖き神なる聖霊に守られる中で、新入生の皆さんが自分にあった「理」をこれからも極めつつ、神のみ国の花のように、永久に美しく咲き誇ることができるようにと切に祈って、私の式辞といたします。