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2024/06/26

  • 校長先生からのメッセージ

時報第162号より「創立75周年を迎えて その1」

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シスター・マルチンヒルデ

 聖霊生のためなら、教員は何でもやる。生徒のために、教員が長い時間をかけて、献身的に努力する姿を日々目にします。この情熱と奉仕の精神は創立から貫かれているものです。

 初代校長、シスター・マルチンヒルデはそれを体現する人物でした。秋田の聖霊高等学校の校長であったシスターは、創立者シスター・ピアのよき協力者でした。名古屋聖霊学園を創立する際シスターは秋田と同じ校歌と校章を使って土台を築き、その存続のために全力を尽くしました。

 シスターたちは、旧日本軍の兵舎を借りて校舎とし、名古屋聖霊学園を創立しました。しかし、翌年、朝鮮戦争で負傷した米兵のための病院建設計画に伴い、アメリカ進駐軍から立ち退き命令が出ました。大きな危機でした。教員と生徒はマリア様の像(現在は校長室に設置)の前で九日間の祈りを捧げました。

 一方、校長は、最高司令官だったマッカーサー元帥との面会のため、占領軍東京本部にお願いに行きました。そのころの元帥は、昭和天皇よりも大きな権力をもっていました。校長は学校と生徒のために相当な覚悟をもって面会に赴いたのでしょう。しかし、元帥は視察のために朝鮮に赴いており、面会はかないませんでした。シスターは、元帥に宛てて「私たちは教育をしているのです。卒業まで生徒たちを教育すると引き受けたのですから、今、やめるわけには行かないのです。」という率直な言葉を手紙に残して帰りました。

 数週間後、元帥から自筆の手紙が校長に届きました。そこには「あなたの手紙を読んだ。あなたの希望に添うようにする。」と書かれていました。校長の手紙が元帥の心を動かし、学校を救ったのです。

 聖霊は、生徒たちの真剣な祈りとシスター・マルチンヒルデの勇気と尽力によって、大きな試練を乗り越え、守られ、今まで成長してきたのです。初代校長を模範に、伝統を守り、さらに良い聖霊中学・高等学校をめざして、創立75 周年を迎えましょう。

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