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2023/03/17

  • 校長先生からのメッセージ

2022年度 高校卒業式

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 厳しい寒さが和らいで、聖霊の丘を囲む自然のうちに、静かに近づく春を感じます本日、神言修道会の日本管区長サンティアゴ神父様を始め、父母の会カリタス、同窓会、ともの会の各会の会長をお迎えして、ここに第69回卒業式を執り行うことができますことを心から喜び、深く感謝申し上げます。

 また、ご列席の保護者の皆様、本日お嬢様のご卒業、おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。皆様には長い間、この聖霊中学・高等学校を本当に親身になってご支援、ご協力いただき、誠にありがとうございました。改めて厚くお礼を申し上げます。

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 さて、入学以来、皆さんは新型コロナウィルスと共に3年間を過ごしてきました。感染防止対策が緩和されているとは言え、先ほど録音された校歌を聞いているうちにふっと思いました。皆さんはこの3年間に式典で校歌を歌ったことが一度もありませんでしたね。

 聖霊を旅立つこの良き日に、声ではなく、心を合わせて校歌の意味を皆さんと共にかみしめたいと思います。もっとも注目すべき歌詞は最初の行にあります。「少女(おとめ)ぐさ操(みさお)も高く」この歌詞には聖霊中学・高等学校で育てたい女性の理想像が描かれています。

 まず、少女ぐさは国民を意味している民草(たみぐさ)に由来すると思われます。国民と少女が草に例えられ、野原の草のように、冬の寒さにも夏の暑さにも耐えながら,たくましく伸びて広がり、成長していくという願いが込められています。皆さん、踏まれても、踏まれても、草がまた立ち上がるように、困難に負けず、強く生きてください。

 そして、「操も高く」とはどういうことでしょうか。女子校の校歌として、礼儀正しく上品で気高くあれという意味が当然込められていると思いますが、「操」には志に操と書く「志操」や「節操」という意味もあります。つまり、この歌詞の「操も高く」とは、気高さのほかに自分の意志や主張を貫き、困難や誘惑に負けず志を固めて常に変えないという力強い解釈もできるのです。

 ちなみに、「ミサオノキ」という植物もあります。この木は常緑樹ですが、岩場などの厳しい環境でも常に葉っぱが青々として生い茂るところから「操の木」と名づけられました。「操の木」のように皆さんは厳しい困難の中でも美しく清々しく生き生きと栄えると願っています。

 また、「操」の語源は深い青と書いて「深青(みさお)」であったという説があるそうです。深い青は他の色に染められない、常に変わらない色です。他の色に染められない皆さんの制服の濃い紺色、「深い青」のように、まわりに左右されない、流されない自立心の強い女性へと育ってほしいという願いがやはりそこにはあるのではないでしょうか。

 聖霊中学・高等学校のおとめたちが、野原の草のように試練や困難に負けず、大地に広く根を張り、大きく成長できること、またいつでも青々としている操の木のように生き生きと強く生きること、深い青と同じくまわりに左右されず、自立した、志が固い女性になれることを私は願っています。最後に、皆さんが自分の歩く「理(みち)」、生き方を究めながら、神様のみ国の花のように、永久(とこしえ)に美しく咲き誇ることができるようにと祈って、私の式辞といたします。

 

聖霊中学・高等学校の校歌 こちら

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