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2017/01/09

  • 校長先生からのメッセージ

2016年度 3学期始業式

聖書朗読  マタイ福音書 2.1~12

 

 イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。私たちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」彼らが東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て、喜びにあふれた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として捧げた。

 

 新年おめでとうございます。

 

 昨年のクリスマス、母から送られてきたクリスマスカードにこのような言葉が書かれていました。ラクダに乗って、星に照らされ、町に向かっている三人の人が描かれていました。そして、英語でこの言葉が書いてあります。

 

"The Wise Still Seek Him"

「賢い人々は今もまだ彼(救い主イエス)を探している」

 

 この「賢い人々」はただ頭がいい人だという狭い意味ではありません。最近、東京都の小池知事が "wise spending" という英語を使っています。予算を作る時に、節約して無駄遣いをしない支出ではなく、人々の幸せのために聡明にお金を使うという意味が入っているように、いろいろな知識と経験を人々の幸せのために使う人が本当に "wise" です。

 

 「彼を探している」の「彼」とは、救い主イエスのことです。そして、「賢い人々」とは、マタイによる福音書によれば、東方からの三人の博士たちと呼ばれています。この人たちは、天に珍しい星が出ているのを見て、何か特別な出来事が起こるだろうと考えて、その星の方向へ探しにいきました。それが、救い主イエスの誕生だったということです。

 

 このクリスマスカードのメッセージには、「賢い人々は、現代の今、この瞬間にも救い主を探している」という意味が込められています。私はその通りだと思いました。私たちは今でも、救い、愛、幸せなど求めていると思います。今の世界の状況を考えると、平和な世界が訪れているとは言えないからです。そしてそこから考えると、今の世の中において、救い、愛、幸せがもっと必要だと考えることができる人、それが本当に賢い(wise)人だともいえるでしょう。

 

 3学期がはじまります。皆さんは授業などで勉強して、頭を鍛えて知識を身に付けます。(とくに、高校3年生はラスト・スパートに入っています。今度の土・日曜日にセンター試験がありますし、2月に本番の一般入試もあります。)

 

 また、2月の初めに中学校の駅伝があります。この駅伝や部活などで皆さんは体を鍛えることによって身体の力を身に付けるでしょう。

 

 ところで、頭と体の他に、人間にはもう一つの大事な部分があります。それは何でしょう。そうです。こころです。頭と体を鍛えると同じように「こころ」を成長させて、育ててほしいです。こころの優しい人、思いやりやいたわりのある人、信頼できる人、素直でまっすぐな人、周りの人々にこころを配る人、明るくてポジティブな人になるように心がけてください。

 

 この2017年に立派な知識と体力を持っている人だけでなく、豊かな感性を持っている、こころのやさしい人になりましょう。

 

 2000年前に賢者たちが救いを探しに行ったように、私たちもお互いを支え合いながら、こころの優しさ、お互いの喜びと幸せを求めましょう。そうすれば、私たちも本当に"wise"になれるのです。

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