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2024/12/02

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【南山学園に関わる全ての皆さまへ】クリスマスにあたっての理事長メッセージ

 南山学園の教育にご子息、ご息女を託してくださっている保護者の皆さま、直接、間接に本学園の教育事業を支えてくださっている同窓生の皆さま、本学園の教育事業にご理解とご支援を賜わっているすべての企業の皆さまに、日頃の感謝とともに、クリスマスのお祝いを申し上げます。

 今年の南山学園からのクリスマスメッセージの標語は「響け」です。多くの問題、課題を抱える現在の世界の中で、どのようなクリスマスメッセージが響き渡るのでしょうか。「世界には現在78の壁がある」とNHKのある番組で知りました。人と人とを隔てる壁。国と国とを隔てる壁。わたしたちは、その壁の前に、無力に立ち尽くすことしかできないのでしょうか。平和への道を探る地道な活動、多くの人々の粘り強い働きがあります。それらはすべて無に帰すのでしょうか。決してそうではない、という喜ばしい兆しが見えてきたように思います。1011日に日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が今年の「ノーベル平和賞」を受賞しました。善意の人々とともにカトリック校である南山学園も「この希望は失望に終わることがない」(ローマ書55節)ことを信じています。

 「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、ご自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊された」(エフェソ書214節)

 南山学園の設置母体である神言修道会は、来年2025年に創立150周年を迎えます。創立の期日は187598日です。本会の創立者、聖アーノルド・ヤンセンがとりわけ好んだ聖書の言葉は「初めにことばがあった」で始まる-クリスマスのミサでも朗読される-ヨハネ福音書の冒頭の箇所でした。その中にある「光は暗闇の中で輝いている」という現在形の一文(5節)は慰め深いものです。時代の流れに対応して、聖書の中で強調すべき側面は変わっていくかもしれません。そんな中で「光」はいつの時代にも大切なテーマなのではないでしょうか。いろいろな意味で暗闇を体験しているわたしたちに「今・ここに」輝いている光、決して消えることのない光は勇気と希望を与えます。しかし、同時にそのメッセージはわたしたち自身にその光に支えられてともに行動を起こすよう呼びかけています。

 『心のともしび』というカトリックのラジオ番組があります。そこで毎回繰り返される標語は「暗いと不平を言うよりも、すすんで明かりをつけよう」というものです。子どもにも大人にもわかりやすい語りかけだと、今でも思います。これを実行に移すとなると、若い世代の人たちの方が身軽に動けるような印象がありますが、実際には、若い世代の行動力と年齢を重ねた世代の知恵との協働そして連携があるべき社会の誕生を可能にするのではないかと思います。その意味でも、上述のノーベル平和賞受賞のインタビューの場で涙ながらに応える箕牧理事長の隣に3名の高校生平和大使が座っていたのはとても象徴的でした。南山学園に属する各単位校も、連携し、励まし合い、また地域社会の皆さんとの協力の中で、本当の平和な社会に向かって動き出すことができますように。

南山学園理事長 市瀬 英昭

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理事長のクリスマスメッセージは 南山学園の特設ページ【こちらで詳しくご覧いただけます。

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